韓国ドラマの放送事情を知れば、あなたも韓国ドラマの情報通に！

「韓国ドラマの撮影は過酷」という話は、韓国ドラマが好きな人であれば一度は耳にしたことがあると思います。

しかし、
・この話が事実なのか
・事実であればなぜ過酷になってしまうのか
・撮影中の俳優たちのスケジュールはどうなっているのか
まで知っている人はまれです。

実は、「撮影が過酷」という話は、韓国ドラマの放送事情と深い関係があります。
韓国ドラマの放送事情を知れば、あなたも本物の情報通。

また、韓国特有のスケジュールのおかげで、特に視聴率が大幅にアップした選りすぐりのドラマを紹介します。

「韓国ドラマの撮影は過酷」ってホント？

日韓で活躍する女優の藤井美菜さんは、

「撮影の前夜に台本を受け取ることもある。タイトな現場の瞬発力から生まれる面白さがある」

と現場の過酷さを語っています。

また女優の高島礼子さんも韓国ドラマに出演した際、

「撮影のシステム自体が日本と違いました。台本ができるのも、クランクインの一週間前を切っていた。日本だと、あらかじめリハーサルをみっちりやるけど、あっちではほぼなかった」
「夜中の４時に終わって、次の開始が朝７時というのがあった。寝る時間はなくて、結局、４日間一睡もできない状況がまさにありましたね」と話しています。

韓国のドラマ撮影は過酷なんですね。

韓国ドラマの撮影が過酷になってしまう理由とは？

韓国ドラマで、最初の回ではきらきらと輝いていた俳優さんも、終盤になってくると見るからに痩せて元気がなくなり、白目はいつも充血している、なんてことがあります。

どうしてでしょうか？
理由は、4つあります。

１．韓国ドラマの放送は、週に２回
日本のドラマは週に１回ですが、韓国ドラマは週２回。
２倍の早さでストーリーも進み、その分の収録もしないといけないということです。
月火や水木、金土など２連日で放送することが多いです。

２．放送時間が長い
韓国ドラマは、60分から80分のものがあります。
例外はありますが、国営放送が主流のためCMが入らないので、その時間ずっと放送しなければならないのです。
日本の民放ではCMが入るので、民放では実質４０分ほどです（NHK朝ドラでも１回１５分です）。
週２回放送プラス放送時間が倍で、日本の約４倍の収録時間が必要になってきます。

３．事前制作がない
日本のドラマでは、時間に余裕をもって作品を完成させるため、クランクアップが放送日よりだいぶ前、ということがよくあります。
しかし、韓国ドラマではテレビ局側が受け入れないために、放送日まで時間がない中で撮影するという作品がほとんどです。

それは、経費の問題が大きくかかわっています。

韓国ドラマがヒットするのは、有名な俳優さんが出演しているかどうかで大きく左右されます。

事前制作する場合、出演俳優を拘束する時間が長り、その分経費がかかってしまいます。
また、ドラマ出演の契約をしても後でキャンセルしてしまう俳優もいます。

もともと韓国ドラマの制作は予算が少なく、事前制作に向いていません。

逆に日本では事前に収録して、俳優が途中で事件を起こすと、出演しているシーンは、放送しなくなることがあります。

４．視聴者のリアルタイムの声を内容に反映させるため、台本作成の時間がない

日本よりも視聴率にシビアなのが韓国です。

視聴者の反応を最優先に考えているので、反響の善し悪しによって、そのドラマの命運は変わってきます。
視聴者の反応が悪ければ、放送が打ち切りになったり、逆に反応が良ければ30話ほど延長されることも日
常茶飯事です。

そのため、視聴者の声や要望から、ストーリーが大きく変更されることもしばしば。

台本の完成がぎりぎりになるのは、これが理由です。

前述の藤井美菜さんが言うように、撮影前夜に台本が上がってきたり、撮影当日だったり。
放送当日に急いで撮影するなどの無茶苦茶なことも数多くあります。
また特定のシーンしか載っていない台本が出来上がってくることもあります。

韓国では、この現象を比喩して「断片台本」という造語もあるほど有名。

放送時間ぎりぎりまで撮影し、放送の数分前に編集が出来上がることも韓国ではよくあります。

また編集作業の遅れから、20分から30分ほど放送されないかったり、
間違って2話同じものを放送しちゃったり、という放送事故も起こります。

この状態では、俳優やスタッフがハードスケジュールであること、睡眠時間がないのもうなずけます。

韓国の俳優・女優のスケジュールって？

今まで見てきた殺人的な撮影スケジュールをこなす俳優・女優の一日＆一か月のスケジュールを見ていきます。

キム・スヒョンとチョン・ジヒョン主演の「星から来たあなた」は、超能力を持つ宇宙人とわがままトップ女優のピュアな恋物語を描いたものです。
最高視聴率33.2％を記録し、その年のSBS演技大賞では数々のタイトルを獲得。

またドラマ中の衣装、化粧品が完売するなど、さまざまな社会現象を巻き起こしました。

このチョン・ソンイリップスティックは完売が続き、どこに行っても買えない状態。
予約なしでは手に入らず、街中の女性の唇が同じ色になる、という現象を引き起こしました。

この人気は韓国内に留まらず、中国では映画化が決まるほどの人気です。

しかし、このヒットの裏では恐ろしいほどの撮影スケジュールを強行していました。

毎日の徹夜での撮影を行い、睡眠時間も一日２～３時間。

撮影期間中は家に帰ることはほとんどなく、寝たり食べたりは現場で行うというものでした。
特に主演のキム・スヒョンは、２か月以上の間ほとんど休みはなく、連日、睡魔と戦いながら撮影を続けていました。

そして、「奇皇后―ふたつの愛 涙の誓いー」で奇皇后役のハ・ジウォンも

「9か月の撮影期間の中で、週に5日は徹夜だった。きちんと寝られたのは週1回ぐらいで、食事も車の中で果物などを食べる程度。
レストランで食事ができたのは、3回ほどでした」

と明かしています。

韓国では、こんな撮影システムが日常的に行われています。

過密スケジュールの乗り越え方

ハードスケジュールでは、体調を崩したり倒れてしまう俳優がいつ出てもおかしくない状況になっています。
では、この撮影スケジュールをどうやって乗り越えているのでしょうか？

俳優たちが普段行っている疲労回復法や健康管理法を具体例を挙げて紹介します。

韓国女優キム・ソンウンは、ダイエット健康食品「Delight green wheatgrass cleanse」のモデルに抜擢され、一日一杯wheatgrass cleanseを飲んでいるそう。
wheatgrass cleanseは、100％国内産のウィートグラスや緑色野菜、チアシードを混ぜて作られたジュースで、免疫力向上やデトックス作用があるといわれています。

そして、「星から来たあなた」のキム・スヒョンのイメージモデルでおなじみのビタミン剤「レモナ」も、韓国では有名です。

韓国には、紅参(蒸した高麗人参)や五味子など体に良いものがたくさんあるほか、ビタミン剤なども俳優たちは摂っています。
こうやってハードスケジュールをこなしているんですね。

視聴者のおかげ！内容変更でヒットした作品紹介！

「パーフェクトカップル」は、韓国の二大ヒットメーカーの演出家と脚本家がタッグを組んだ作品。
回を重ねるごとに人気になり、話数は大幅延長され、61話になりました。

半人前の幼なじみカップルに妊娠が発覚し、両家族を巻き込んでいくどたばたハートフルホームドラマ。

「糟糠の妻クラブ」は、当初は全80話の予定を104話に延長するほどの人気でした。
最高視聴率40.2％。

そして、「砂時計」は、最高視聴率歴代3位の64.5％。

韓国ドラマ史上、最も熱く、最も奥深く、最もダイナミックでロマンチックな作品です。
今までの韓国ドラマにはないスリリングなストーリー展開に視聴者の心をしっかりと掴み、平均視聴率45.3％を記録。

このドラマは、視聴者の帰宅時間を早めるなどの社会現象になり、放送時間帯に街から人影が消える「帰宅時計」現象を起こしました。
このドラマの脚本家は、「太王四神記」でもお馴染みのソン・ジナ。

彼女の原稿料は、ドラマ１話あたり4千万ウォン(365万円)以上と言われています。

これは日本の有名脚本家と変わらないほどの報酬ですが、視聴者の意見で脚本を変更するのは、並大抵のことではないです。

他にも「アクシデントカップル」や「ヨンパリ君に愛を届けたい」なども視聴者の意見で内容を変えたドラマです。

韓国ドラマは撮影陣と俳優の汗と涙の結晶でできている

「シンイー神義(神医)」で主役のイ・ミンホは、撮影初日にインフルエンザにかかってしまいましたが、撮影期間の余裕がなかったため、撮影を断行。

そんな中、決闘シーンでけがをしたという情報も。

放送が迫っていては仕方ないのかもしれませんが、体調不良のうえに怪我までするなんて・・・。

韓国ドラマはまさに、撮影陣と俳優の汗と涙の賜物です。
ドラマ制作の舞台裏を知っていると、ドラマも２倍楽しくなります。

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