「金剛山図」(1話〜5話)
現代の韓国。
美術の非常勤講師ジユン(イ・ヨンエ)は大学でイ・ギョムの作品や作風を講義していた。
非常勤講師から大学教授に昇格を目指して大学教授のミン・ジョンハク(チェ・ジョンハン)の教授の助手だけでは無く、家事全般の手伝いなどを10年もしていたが、そんな中ミン教授からアン・ギョン作の金剛山図の論文を書いてみなさいと言われ、大喜びで論文作りに励んでいた。
しかし、ミン教授が鑑定して真作として見つけた作品である金剛山図だったが、筆遣いや墨の線の違いで偽物ではないかと疑いをもつように。
疑心を持ちつつも世紀の発見と言われる金剛山図の発表を任せられ、張り切って当日を迎えたジユン。
発表で周囲からどうしても真作に思えないと幾つか疑問点を指摘され、ジユンも本当に真作だと思うかと問われて「よく分かりません」と発言してしまう。
そんな中、投資会社を経営する夫のミンソク(イ・ヘヨン)が仕事でトラブルを抱え、家が差し押さえられてしまう。
教授就任に大事な会議に出席するためにイタリアに行くが、ミン教授からそこでも冷たくあしらわれ、遂には大学を解雇されてしまう。
イタリアで置き去りにされたジユンは、裏通りの路上に売られていた古い日記を手に入れ、そこに押された印を手掛かりに古いお城に辿り着く。
城の中に描かれた自分にそっくりな美人図を持ち帰ることになり、古美術の修復の仕事をしている友人へジュンに日記と絵を見せたところ、美人画はサイムダンの肖像画だろうとのことだった。
日記には金剛山図の文字があり、金剛山図と何か関係のある日記であると確信したジユンは、ミン教授の金剛山図が偽作であることを証明するために、絵と日記のについて調べようと決心する。
時は朝鮮時代、幼少期のサイムダンが金剛山図を一目見たくて絵が置かれている家に侵入するが、その家に住むイ・ギョムに見つかってしまう。
このとき、イ・ギョムはサイムダンに一目惚れし、その後金剛山図を持ってサイムダンを訪ねる。
絵を通して意気投合した2人は惹かれ合い、のちにギョムはサイムダンにプロポーズをする。
2人は共に描いた金剛山図に詩を書き添え、比翼の鳥の印を押す。
しかし、その後サイムダンが侍従のソクスンと行った雲平寺で、貴族による大量殺戮事件が起こってしまう。
その一部始終を見てしまったサイムダンはギョムによって助けられるが、貴族たちから追われることになる。
その頃、現代では、ジユンが帰りに事故に遭ってしまっていた。
事故に遭ったジユンが目を覚ますと、サイムダンとして朝鮮時代を生き、平和に暮らしていたのだった。
サイムダンの家の中に入ると金剛山図があり、アン・ギョンの別名で「池谷可度」という文字を見つける。
再度、次は現代で目を覚ましたジユン。
退院の帰り際に夫のミンソクから離婚届を渡され、そしてへジョンから「日記の内容が分かった」と連絡が入る。
内容を読み上げてもらうと、今さっき寝ている間に起きた出来事の内容と同じだったことが判明する。
そして本物の金剛山図には、サイムダンとギョムの詩が書き添えた比翼の鳥の印があることを知る。
このことから、ジユンはミン教授の金剛山図が偽物だと確信し、美人画にも同様の印を見つけたのだった。
「サイムダンの裏切り?!」(6話〜10話)
朝鮮時代では、サイムダンの父であるシン・ミョンファ(チェ・イルファ)が、雲平寺事件のせいでサイムダンやギョムにも何か恐ろしいことが待ってると予感し、急ぎ別の相手イ・ウォンス(ユン・ダフン)と婚礼を進める。
何も知らないギョムがサイムダンの家を訪れると、2人の婚礼が行われていた。
その夜、中宗の指示でサイムダンの父が殺害されてしまう。
訳の分からないギョムはサイムダンを連れ出して真相を聞くが、サイムダンは「もうギョムとは終わった」と告げるのだった。
サイムダンは金剛山図などギョムとの思い出を断つためにギョムに返すが、ギョムはサイムダンの裏切りに腹を立てて思い出の品を返す。
それから20年という月日が経ち、サイムダン一家は漢陽に引っ越して4人の子の母親になっていた。
漢陽に引っ越して平和な暮らしが出来るはずだったが、夫ウォンスのせいであばら家に住むことになってしまう。
「紙作り」(11話〜20話)
サイムダンの息子ヒョルリョン(チョン・ジュンウォン)はとても賢く、それを見抜いた教官はのらりくらりと王のそばで生きていたギョムに「賢い子がいる」と中部学童の教官になることを頼む。
その子がサイムダンの息子だと知ったギョムはそれを引き受けることに。
身分の差からヒョルリョンの入学について教官ペクに文句を言う母親たちがいる中、ギョムがフィウムダンの息子とヒョルリョンを競わせることを提案する。
しかし二人にお互いを思いやる気持ちがあったことから、ギョムは2人とも入学させることにした。
その頃、フィウムダンの手に大きな傷があるのを見た時にギョムは、雲平寺にサイムダンを助けに行った時に一緒に居たソクスンという名の少女の手に大きな傷があったことを思い出し、フィウムダンがソクスンだと確信する。
フィウムダンを訪ねて雲平寺で何があったのかを聞き出すが、フィウムダンは語らなかった。
その頃サイムダンは、生計を立てるため紙づくりに励んでいたが、紙づくりの師匠に作成したほぼ半数の紙を持ち逃げされてしまう。
ギョムはそれを知り、甥のイ・ウを連れ、夜な夜な内密に紙づくりの手伝いをしていた。
やっと5千枚ほど出来上がった紙だったが、店に持って行くと、店主が変わっていて「そんな契約は知らない」と言われてしまう。
しかしギョムの機転で紙を比翼堂で使い、飛ぶように売れ大成功となった。
サイムダンはそこで普通の紙よりも何倍もの値がつく高麗紙を作ることを目標にする。
現代では、美術品の鑑定で金剛山図が国宝指定に反対の嘆願書が出されたことを知ったミン教授が、ジユンの仕業だと考え自宅に押し入る。
それを知ったジユンは美人画の裏に何かが隠されていると思い、ナイトクラブの物置を借りて裏打ちを剥がすことに。
そこから真作金剛山図が出現し、館長と取引きをする。
「ミンソクの死?!」(21話〜25話)
朝鮮時代では、ギョムが雲平寺での出来事やサイムダンがウォンスと結婚した理由などを、全て知ることに。
一目散にサイムダンの所へ行き、抱きしめて「生涯ずっとそばにいる」と想いを表す。
全て王の仕業だと気づくが、今は王を敵に回さずに慎重に行動に移すように考えていた。
そんな時、学童の母会でサイムダンの隣にいた女性にお茶がかかってしまう。
借り物のチマ(スカート)がシミになったため、サイムダンは墨と筆を用意しそこに見事な絵を描き入れた。
チマは借りた店に返され、描かれた絵はたちまち評判になりギョムの耳にまで入り、サイムダンの腕が衰えていないことを確信する。
現代では、ミン教授の手下に真作の金剛山図を奪われ、ジユンの前で真作金剛山図に火を付けて燃やしてしまう。
その頃ジユンの夫ミンソクが事故で亡くなったとの知らせが入る。
遺体は見つかってないため、希望を持ち続けるジユンだったが・・・。
「高麗紙」(26話〜30話)
朝鮮時代では、中宗が高麗紙の全ての業務をギョムに指示していた。
高麗紙の製法について知るためサイムダンが雲平寺に向かったことを聞きつけ、フィウムダンも雲平寺に向かう。
また、サイムダンの危機を感じたギョムも、サイムダンが向かった雲平寺に急いで向かう。
サイムダンが雲平寺の焼け跡に着いた頃、フィウムダンの一団に襲われてしまう。
事件の生き残りの老人に助けられたサイムダンは、老人が預かっていた高麗紙の製法が続かれている水月観音図を預かることに。
その後老人はフィウムダンに殺害され、揉み合いになったサイムダンとフィウムダンは崖から落ちてしまう。
何とか崖にしがみ付いてた2人をギョムが助けるが、サイムダンだけ馬に乗せて都に向かう。
都に戻ったサイムダンは何度も失敗を重ねた末、本来の高麗紙を作成することに成功。
しかし、諦めていなかったフィウムダンによって紙を全て燃やされてしまう。
そんな中ひらかれた紙の質比べ会では、焼かれたはずのサイムダンの紙が選ばれ、フィウムダンは驚きを隠せずにいた。
なんと前もってギョムが違う紙とすり替えておいたのだった。
現代でジユンは、ミンソクの死と金剛山図を盗まれた上に燃やされたことから立ち直れずにいた。
さらに追い詰めてくるミン教授に、覆面芸術批評家のラドとの接点を持つ。
「流民達とサイムダン」(31話〜35話)
現代では、燃やされたはずの金剛山図を、実はミン教授が燃やさずに密かに隠し持っていた。
朝鮮時代では、サイムダンの製紙場は軌道に乗り明るい未来に向かって前進していた。
そんな中、サイムダンの夫ウォンスは、飲み屋の女将のクォン氏(キム・ミニ)と不倫関係の仲になり、妊娠までさせていた。
ウォンスの心は完全に離れてしまい、不倫相手のクォン氏は、サイムダンの絵を売って贅沢がしたいとウォンスに言う。
「サイムダンの才能」(36話〜40話)
現代では、テレビのニュースで金剛山図が贋作ではないかと報道されていた。
ジユンの書いた論文が盗用だと言われたことに抗議しに来たジユンは、このままだと学位まで剥奪されることを心配する。
そんな中ラドからメールが入り会うことを決意するジユン。
ラドは韓国人の青年で、金剛山図を以前から調べていてジユンの動画で偽作だと確信したと話す。
また、ミン教授が真作の金剛山図を燃やしたと言うが、あのミン教授が簡単に手放すわけがない、本当に燃やしたかどうかを調べる必要がある、とアドバイスされる。
朝鮮時代では、ウォンスがクォン氏にそそのかれてサイムダンの絵を売ってしまっていた。
しかしギョムが全て買い取ってサイムダンの工房に手紙と花を添えて置いていた。
同時期、中宗の摂政を託された世子は、ギョムに中宗の御真影の制作することを指示し、サイムダンを御真影絵師として抜擢する。
大臣達が女の絵師に反対していたが、そんな空気を感じながらもギョムのサポートで御真影を描くことに没頭していく。
中宗は、そんなサイムダンの才能や地位を恐れ、抹殺する計画を立てる。
御真影が完成し、中宗は民衆にもお披露目すると言って道端で見せることに。
儒学者達は批判していたが、1人の儒学者が「絵が生きてる! 光っているぞ、凄い」と言った途端、民衆は喜び声を上げました。
思ってもみなかった反応に困惑した王は「サイムダンとギョムを暗殺しろ」と伝え、ギョムを国家の反逆者にし、サイムダンの工房も店も荒らして、抑揚紙所は閉鎖されてしまう。
夫も工場もなくなったサイムダンは、子供達の勧めにより夢だった金剛山に登ることを決意する。
ギョムもサイムダンが金剛山に行ったことを知って向かう。
ギョムが金剛山に到着して2人は金剛山を描き、幸せな時間を過ごす。
しかし、サイムダンはギョムではなく母として生きる道を選択し、ギョムを残して下山する。
そして再び現代。
ミン教授の手下がこのままでは良くないと、真作の金剛山図を盗んでジユンの所に持ってきていた。
真作の金剛山図が手に入ったとジユンがラドに連絡し、ここからミン教授に罠を仕掛けることに。
「ジユンとサイムダン」(41話〜44話)
朝鮮時代では、サイムダンが帰宅したことを知った中宗が、ギョムをおびき出すためにサイムダンを外出を禁ずる命令を出す。
このことを知ったギョムは、金剛山図を比翼堂の庭に埋めて義禁府に反逆の罪を認めに行く。
中宗は、ギョムを流刑と毒薬を与えて処刑することをサイムダンに伝え、サイムダンは過ぎ去った記憶を留めておくために寿進房日記を書く。
現代では、ジユンが寿進房日記を読み、自分と字が似ていたことから、まるで自分が書いた物を見るような不思議な感覚に陥っていた。
そんなジユンがもつ金剛山図を男たちが奪いに来て、ジユンは屋上に逃げた際に転落してしまう。
昏睡状態の中でジユンはサイムダンと会い、サイムダンとの出会いがギョムの命を救うことになると確信したため、ギョムは、処刑されず生き延びるからイタリアに逃がすように、とサイムダンに伝える。
また、お守りとして、息子ウンスからもらった腕輪をサイムダンに渡した。
そんな昏睡状態のジユンを見て、ソンギャラリー館長はジユンに協力することを決意し、記者会見を開く。
そこで館長は「ミン学長は金剛山図が偽作だったことを初めから知っていた。ジユンから真作を奪おうとし、ホ会長の融資詐欺からミンソクに無実の罪を着せる殺人教唆までした」ということなど全て告白する。
また、ジユンの病室に亡くなったとされた夫ミンソクが現れ、ついに一件落着を迎えようとしていた。
再び朝鮮時代。
夢ではなかった証拠に、ジユンから渡されたサイムダンの腕に腕輪がはめられていた。
サイムダンはギョムを慕う大勢の人たちの力を借り、ギョムをイタリアに行かせるために急いで動くことに。
ギョムはサイムダンと共に逃げようとするが、サイムダンは「もっと広い世界で生きて欲しい」と告げて比翼鳥の判子を首にかけ、別々に歩むことを決意する。
ギョムは国を渡り歩き、イタリアのトスカーナに辿り着く。
ギョムと別れたサイムダンは、夫の面倒を見、子供達を育てあげたあと、病によって命を落とす。
再び現代。
ジユンはラドの一員になり、偽造古美術品を撲滅する活動をし、ラドの団長に呼ばれてイタリアに向かう。
イタリアに着くと、ギョムと同じ顔で写真を撮る青年がいたのだった。